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2001年8月例会
開催月日 8月25日(土)

開催市町

大屋町
テーマ 木と語り、山をまもる
講師

上垣春作 上垣 仁

場所 養父郡大屋町天滝 キャンプ場 管理棟
参加者 池口・上田・太田・木村(昌)・木村(尚)・粂井・島垣・高石・栃尾・友田・中嶋・中田(孝)・能登・藤原・細見・湊崎・守山・山本・吉盛・和田・会員外1名
担当 島垣・池口・吉盛


■講師 上垣春作 氏
75歳まで現役「木挽き職人」必要な木を切り、山から出すことを職とする(15歳から林業に携わり、勲6等青色桐葉章受賞)
15歳でこの世界に入り、それから75歳までこの道一筋に。主に建築材や危険木を対象に行ってきた。まず、木を切ると一言でいってもそこには、長年培われた巧みな技がある。木を切る時は、必ず、他を傷つけないようにどんなに細いところでもその間に倒す。その技には木の生え方だけでなく、枝ぶり、重心、地形、風向き等々、職人ならではの勘や知恵を感じざるをえない。倒す向きに至っては、現代と違い、必ず、山側に倒す。それは、木は沢山の水分を含み、そのままの重量では、山から出すにも沢山の人力必要になる。そこで、山側に木を倒し、葉がらしを行い水分を半年かかって抜くことで、少ない人力で出すことが可能になる。これも先人から受け継いだ知恵である。
また、淡路のみかん畑の周りにある誰も手を出せなかった危険木もみかん畑を100%傷めることなく、作業を終えた。このような数々の功績は、言い出せば限がない位にある。

■上垣 仁 氏
母樹から種をとり苗木を作り植樹することを職とする。(県苗木組合幹事、林野庁長官表彰)
20歳代は、上垣春作氏と同じように山に入り、建築材になる木を切って生計を営み、28歳のとき食中毒に遭い4年間生死を彷徨う。その後、約15年間は、山にはいり落葉樹を主に切る。これは昭和30年代からは、国の政策で建築材として杉やヒノキはお金になる為、それを植林するため、落葉樹であるブナ・ナラを伐採し続ける。そして一段落して家に帰ってくると山に対して罪悪感がどうしても消えず、今度は、山へ恩返しをするため植林の道へ入り、母樹から種をとり苗木を育て植樹して現在に至る。
今でも、昭和30年代の伐採をしなければ、人間や動物にとってのかけがえのない財産を残せていたのにと心残りで仕方がない。是非、次世代の方々に山や木がどれだけ人類にとって大切なものか、一度、切ってしまうと本当に取り返しがつかない事になってしまうか知ってほしいと。
 

■道具について
・大鋸(おおが、おが)元々は、2人1組で切る道具でしたが、桃山時代になって1人用の前挽き鋸が出始めました。昭和37年以降にはチェーンソーが出だして、現代では、それが主流となる。そして、飛躍的に仕事の効率が上がったように思うが、実際は、然程、変わらない。著しく変化したのは、人件費の方らしい。
・木馬(きんま)とは、(山地で木材運搬に使うそりに似た道具。盤木(ばんぎ)を並べた搬出路を人力で引く)現代では、クレーン等を使用し、切ったら直ぐに山から出してしまうが、以前は、木を山側に倒れるように切り、まず、葉がらしを半年間行う。そうして、水を抜き半分の重量になったところで木馬を使用し、運び出す。現代においては、機械の進化のみを重んじて先人の培った「知恵」や「技」は、無用の長物と化している。

■切り旬
切旬(きりしゅん)とは、木をいつの時期に切ればという時期をしめす。これによって家の耐久年数は変わってしまう程、大切なもの。例えば、12月過ぎると、木目は流れてしまい柔らかくなってしまい、また、虫が入るようになる。一番良いのは、11月とのこと。竹は、二・八月(旧暦)が良い。

■植林について
木を切るだけでは山は死んでしまう。そこで、昔から植林も盛んに行っている。しかし、建築材を作るためだけの植林では、山は死んでしまいます。自然(山)のことを考えたら、落葉樹を増やす必要があります。山が保水できるのは、この落葉樹があるからなのです。しかし、ブナは、12年に一度位しか実はならず、ケヤキも植林したものは、殆ど、鹿などの食べられてしまう。自然に育ったケヤキの芽は食べない。など、落葉樹の植林はとても難しい。また、現在のように1平米に何本といったマニュアルがあり、それを元に全国で植林が行われているが、本当はすべての山の場所によって風向き、山の向き、谷の様子などすべて違いそこに合わせた植林が必要である。

■最後に

この但馬にも希少な美林はありますが、やはり、激減しているのが事実です。今回のお二人のお話というのは、山や木の代弁だったのでは無いでしょうか?上垣仁氏が話の最後に「80歳になってもまだ植林を続けるのは、孫の代にもきっとこの美しい山々があると信じているから」と。
是非、お二人にはこれからも、「森の代弁者」としてメッセージを発信して頂ければと思います。
 
※この年の秋、紅葉の山歩きを楽しんだメンバー。

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