1996年6月例会

開催月日 6月22日(土)

開催市町

豊岡市
テーマ 木のかたち、家具のかたち
講 師 草分みのる(家具職人・家具工房アウゲ)
場 所 家具工房アウゲ(豊岡市下鶴井)
担 当 中田 丸山

■ 欧風指物家具を修業、アウゲは眼
豊岡職業訓練校木工科卒業後、神戸の欧風指物家具(さしもの;板を組み立てて作る)の専門店でクラシック家具を7年間修業する。住宅販売、看板屋などを経て、1993年に古い農家で家具工房AUGE(アウゲ)を始める。AUGEはドイツ語で眼のこと。素材の選び方、何を美しいと思うかの価値判断は自分の眼だ。

欧風クラシック家具は作りは雑だがそれを見せないデザインがある。例えば引出しはごそごそだがくるっても動き、使っていて絵になる。何十年、何百年と使われる。日本の家具はぴったりと納められ職人の腕の見せ場みたいなものがある。欧風は職人の独り善がりみたいなものが少ない。一定のパタ−ンがあるクラシックも、素材を生かした形にするモダンも、今は両方作っている。

■ 穴や傷を表情に
普通では使われない穴や傷のある素材を買うので、材木屋から「掃除屋」と言われる。穴や傷を表情として生かす。貧乏くさい素材を使っても、貧乏くさく見せない。ひび割れがあってもいいではないか。くさびを飾りにする。いがんでいてもいいではないか。
素材に頼るのはいやだ。素朴では駄目。自分の造形をしたい。デザインしすぎてもあきがくる。この折り合いが難しい。

■ 素材にこだわらないので但馬の木を使える
欧風クラシックは栗を使う。財力があるわけではないので、のべつまくなく買うことができない。カエデを中心に集めている。湿気が高く斜面に生えているので但馬の材料は悪い。でも素材にこだわらないから但馬の木を使える。

■ 田舎の物が田舎から消え、都会にある
売っている金具は「ツルピカ」でおもしろくない。但馬には金具の鍛冶屋がいない。都会には鍛冶屋がいる。本来田舎の物が田舎から消えていくが、都会にはある。日本の家具は床の間か寝室に置く顔をしている。居間に置く顔をしていない。(欧風家具は居間に置く顔をしている)。家具は木裏を表にする。大工は木表を表にする。