| 開催月日 | 12月6日(土) | 開催市町 |
和田山町 |
| テーマ | 湿りと土壁 | ||
| 講 師 | 渡辺一正(建設省建築研究所第4研究部部長) | ||
| 場 所 | 和田山町文化会館 | ||
| 参加者 | 池口 岩本 太田 柴垣 島垣 住吉 中尾 中田 西村礼 藤原次 丸山 会員外2名 | ||
| 担 当 | 丸山・中尾 | ||
木材と土壁の吸放湿特性について (「湿りと土壁」に関する部分だけの抜粋) ■ 湿気とは水分そのものである。そこで水分について。 水分は特殊な物質である。 ■ 水分の特殊性 ○水の相変化(相転移) 気体液体 液体気体熱が放出されたり吸収されたりする。 ○表面張力 液体になると水と水が非常に繋がり易い性質をもつ。 毛細管現象の元となる。 ○液体の水は、他の物質を熔解させる性質が強い。気体としての水蒸気の分子は小さく一つ一 つ独立してい るが、液体になると分子が繋がりあっている。繋がりあわないと液体にならない。 ○建築の外部の水分→大気中に(雨 雪 雹 霰) 地盤に含まれる 建築の内部の水分→人体 炊事 入浴 洗面 洗濯 暖房機 建築材料 ■ 生物にとって大変重要な水が、建築においては、水分障害(雨漏り、腐れ)をひき起こす ○材料のひび割れ 乾燥したところが縮もうとしても、含水率の高いところは縮めない。 縮もうとする力と縮めない力とでひび割れが起こる。 ○多くの化学反応(イオン反応) 水分が存在するが故に進行する。 ○鉄筋コンクリートの塩害 塩素イオンの移動によって起こるが、同時に水があることで腐食す る。 ○それ以上に材料の吸放湿特性が建築にとって良い場合、悪い場合がある。 ■ 材料の吸放湿特性(平衡含水率曲線 ) 材料がその周囲の環境から水分を吸ったり、あるいは放出する特性である。要するに相対湿度がちょっと変るとキュッと湿気を吸ってくれ、逆に相対湿度が下がれば水を吐き出すという構造が重要なわけで ある。 ○平衡含水率曲線 相対湿度が変ると材料が含み得る水分の量が変るということである。 ○吸放湿特性の役目 急激な温度変化、水分障害の活性を和らげる働きをもつ。 ■ 吸放湿特性があると非常にいいことは、室内側の湿度が大きく変るときに部材の内部の相対湿度が常に一定になる、平均的な価になっていくということで ある。重要なことは、材料の表面近くでそういうことが起きる、表面近くの相対湿度が安定するということである。表面結露やカビの問題もこれでかなりの程度緩和される。 材料の吸放湿特性の高いもの〜低いもの 高い 木材 土 ↓ 軟質繊維板 木毛セメント板 半硬質繊維板 硬質繊維板 低い コンクリート系 グラスウール ロックウール ■ 材料の中には小さな孔がたくさんある。この孔の寸法が小さいと水分子相互がぶつかりあって凝縮して、液体になる。大気中では凝縮しない湿り空気も細孔内では凝縮する。これが吸放湿特性の基本である。 材料の中を水分が移動するメカニズム ◯気体状態での移動 水蒸気の濃度差に応じて移動する。その移動に対する 抵抗は経路(小さな孔)の寸法が小さければ通りにくい。 含水率が小さくなると、水分の移動抵抗が増え水率が上がると水分 は移動しやすくなる。 ◯液体状態での水分の移動 毛細管現象です。表面張力(材料と水の親水性)によって、生ま れるので、親水性の少ない材料(水を嫌う)では移動しにくい。 ◯水は高温域から低温域に移動する 高温域では分子の活動が非常に活発ですが、低温域で は分子の活動が不活発になり、その下がる方向に向け て水分は移動する。 例えばトーストの片側を焼くと片側が濡れるという現象。 ■ 材の結露について 断熱材がなにも施されていない壁の場合、結露は室内側(高温側)の表面に起こる。断熱材を入れると、水蒸気に対する抵抗との関係で結露が起きる。外装材(低温側)の放湿抵抗が高い場合は材料の表面まで達する。 1. 外装側に通気層を設けると、これだけで内部結露はおおむね消えてしまう。 通気層をきっちり取れば、冬型の結露はほとんどなくなっている。 2. 通気層がない場合は、室内側(高温側)に防湿層を設けなさいと言われる。水蒸気を下げるこ とによって、結露域を消す技術です。 この場合、高温側と低温側が入れ代わった場合、防音層によって、湿気抵抗に水蒸気の圧 力差が出て、冷房された室内の防湿層の裏側で結露が生まれる。 3. 内外装材に吸放湿材を上手に配置すると、夏場の結露と冬場の結露の問題を同時に防止 することができる可能性があります。 吸放湿特性というのは、抵抗とは違う概念で、時間遅れを作るということである。計算機などに使われているバッファと同じ機能が吸放湿材料特性
にあります。抵抗と同じようにあたかも通らないように見せかけているのです。 |